コンタクトレンズを使っている人は、おそらくほとんどの人はその利用方法や管理方法について眼科からの指導を受けていることと思います。
ですが、まれに通販サイトなどで、きちんとした説明を読まず、また適切な指導を受けていないで使っている方もいらっしゃると思います。
ことにファッション目的で利用することの多い、カラーコンタクトレンズの場合、おしゃれぐっずだから大丈夫というような、根拠の無い理由でケアをおざなりにしていて、それが原因で眼病を患うケースが多くみられます。
目はとてもデリケートです
コンタクトレンズは眼球に直接くっつけて使う器具です。以前は雑貨として扱われていたこともあるカラーコンタクトレンズも、視力補正用の普通のコンタクトレンズも、使用方法は同じです。
ですので、カラコンといっても視力補正用のコンタクトレンズと同様か、それ以上に慎重なケアが必要になります。
当たり前のことですが、目にバイキンを入れたり、異物をいれることは眼球にとって良い事ではないばかりか、おおきな負担を強いることになります。
できれば通常のコンタクトレンズも利用しないほうが良いと、一部の眼科の先生はおっしゃるくらい目にとって良いものではないのです。
とはいえ、日常の生活の中で視力が弱いけれども、眼鏡を付けられない、つけたくないなどの理由でコンタクトレンズを必要としている方も多くいます。
私ももちろんその一人です。
ですので、利用そのものを否定するものではありませんが、最近あまりにもひどい利用実態を目の当たりにして、もう少し利用する方は正しい知識を身に付けた方がいいなぁと思うのです。
目はとてもデリケートな器官です。外部環境によっても不具合がでるのはご存じだと思いますが、内部環境、ストレスや病気、体調不良などの様々な状態が目に影響を与えます。
そういったご自分の体調なども踏まえた上で、今日は体調がすぐれないからコンタクトレンズを使わないという選択も必要です。
正しいケアでかなり防げる
眼科を訪れる方でコンタクトレンズを正しく使っていないことが原因で目に症状が出る方は、6割を超えるという話をとある眼科の先生がおっしゃっていました。
これらの患者さん多くはコンタクトレンズを正しくケアしていれば眼病などを避けられたのではないか?ということから、正しい利用方法の啓蒙をなさっています。
コンタクトレンズのケアで最も大事なのは、レンズを清潔に保つということです。
コンタクトレンズは様々な環境にさらされています。乾燥やホコリやバイキンなどの汚れ、目から分泌されるたんぱく質などの汚れなど、使用時間に伴って刻一刻と状態は悪くなります。
装着中のコンタクトレンズを浄化する方法はご自身の涙以外にはありません。
ですが、コンタクトレンズを永久に清浄に保つ能力は人間にはありません、またコンタクトレンズ自身は人間の眼のように再生はしません。
使う人がきちんとケアをしないと、コンタクトレンズを付ける度に目にバイキンや汚れを付けるのと同じことになります。
コンタクトレンズのケアは実はきちんとやると結構面倒なものです。
毎日の洗浄、消毒とタンパク除去、定期的な殺菌処理など、ひとつひとつは大した手間ではありませんが、毎日となるとついさぼりがちです。
いままできちんとやっていたから、たまには大丈夫だろう、なんていう言い訳は通用しません。
使用期間、使用期限を守る
コンタクトレンズには使用期間と使用期限があります。
使用期間は、付け始めから何時間(あるいは、何日、何週間)使っていいのかという期間です。
これは実際に目に付けたときからではなくて、パッケージを開封したときからカウントされます。使用期間を過ぎたコンタクトレンズは急速に劣化します。
特にワンデータイプのレンズは、いったん目から外してしまうと数十秒で使えなくなります。使用説明書にも書かれていますが、ワンデータイプは一度外してしまうと再装用をしてはいけないことになっています。
眼科を訪れる方の中には、このワンデータイプを毎日消毒などのケアをしているから大丈夫と、数か月に渉って使用していたという方もいるくらいです。
ワンデータイプは装用感を良くするためにあらゆる工夫がなされている反面、1日限りという期限があるため耐久力は極めて低く作られています。
目には見えなくても傷が付きやすかったり、汚れがたまりやすくなっていたりと長期間の装用には向きません。せいぜい数時間か、最大でも使用期間内に外さないと目の病気を引き起こす原因になります。
当然、こすり洗いなどのレンズに負担を掛けるケアは想定されていないので、こすり洗いが原因で傷や汚れが付くこともあります。
例え使用期間内であっても、目に違和感や異物感を感じる場合は、コンタクトレンズに原因があってもなくても、いったん取り外して様子を見るか、眼科に行って検査を受けるようにしましょう。
勘違いされることが多い使用期限ですが、これは製造日からカウントされて1年間とか、半年というような製品自体の寿命を表す期間です。たとえ一度も使っていないレンズでも、使用期限を過ぎた物は目に悪い影響を与えかねませんので使用しないで廃棄してください。
自分用の専用器具、溶液を使用する
コンタクトレンズのケアは基本的には専用の器具と、決められた溶液(保存液、洗浄液、タンパク除去液など)を決められた手順で正しく使用する必要があります。
例え家族であっても、他人の使った器具や溶液は使わない方が良いです。ケア用品が無くなったり、不足しているときは眼鏡を利用するようにして、コンタクトレンズの使用は控えた方が良いです。
まれに水道水で洗浄したり、保存する方がいらっしゃいますが、水道水や市販のミネラルウォーターは飲用には適していてもコンタクトレンズの洗浄や保存には向いていません。
水道水や市販の水にはカルキやミネラルなど様々な物質が含まれていて、これらの物質はコンタクトレンズを傷めるばかりか、そのまま目に付着させてはいけないものもあります。
最近ではプール後に水道水で目を洗ってはいけないとおっしゃる眼科の先生もいらっしゃるくらいです。
また水道水にはアカントアメーバーなど飲用では問題の無い微生物が混入していることもあります。
アカントアメーバーは飲んだりする分には問題ありませんが、目に付着するとそこで増殖することがあります。表面に留まっているうちは問題になりにくいのですが、角膜などの小さな傷から体内に侵入すると、アカントアメーバー由来の脳炎などにかかることもあって大変危険です。
よくカルキ抜きの為にと数時間置いておいた水道水にコンタクトレンズを浸けて置くという方がいますが、カルキがなくなった水道水は急速に微生物が増殖します。微生物まみれのコンタクトレンズを目に付けるなんて考えただけで怖いですね。
まとめ
カラコンは、コンタクトレンズに比べると分厚くなりがちで、さらに内部の構造から付着した汚れが取り除きにくくなっています。構造上致し方の無いことですが、その点を踏まえて、通常のコンタクトレンズよりデリケートな取扱いをする必要があります。
使用後のレンズを友達ととりかえっこしたり、少ししか使わなかったからとワンデータイプや2weekタイプのレンズを繰り返し長期にわたって使うなどは病気のもとです。
目の病気は一度進行すると、治すのが無理なものや、とても難しいものもあります。また充血を繰り返した目は次第に黄色っぽく濁ってきます。この濁りも一度進むと戻りません。
日頃のケアと、正しい使用方法でかなりの部分を予防できるので、きちんとした指導を受けるためと、定期的な健診のためにも少なくとも3か月に一度は眼科を訪れるようにしましょう。
毎日のお化粧と同じように、健康習慣にしましょう^^