資格をとるというとき、あなたはなぜその資格を取るのか考えたことがありますか?
仕事で必要だからという理由で資格を取る人はそういうった理由でと答えられると思います。
資格が無いと従事できない仕事の場合、資格は必須ですよね。
そうではなくて、就職に有利だとか、資格のために資格を取るという場合、どうしてその資格なのか、考えたことがあるでしょうか?
資格を持っている人は優秀?
その資格は誰のための資格でしょうか?自分のためですか?会社のためですか?
自分の取得した資格が誰の役にたつのかを考えてみたことがありますか?
仕事と資格を直接結びつけて考えるべきでは無いと思います。資格が示すものは、仕事ができるか?ではなくて一定以上の知識を持っているということです。あるいは、向上心や探求する意思があることです。
資格をたくさん持っているということは、その人が優秀な人であるという指標ではなく、その人がそういう知識があるということを表すだけです。
その資格はいつ役立つ?
将来のためにと、資格を取る人も居ます。資格を取るということはそれ自体は無駄ではないでしょう。ただ、あらゆる資格が自分への投資だと考えるのは間違っています。
資格を取るためにはいくら知識が有る人でも、ある一定の期間、そのための勉強時間をとられる事になります。
例えば仕事に必要な資格は、実務に関する部分は日常の仕事を通じて学べば済みますが、将来のため、ということであれば、すべてそのために時間を割いて勉強しなくてはなりません。
自己投資という意味で考えるのであれば、資格よりも大事なものがあると思います。
さっきも言いましたが、資格がある=仕事ができる、ではないからです。
仕事に必要なすべての能力は、ほとんどが仕事を通じて学ぶことができます、というよりは、ほとんどの知識や技能は仕事を通じてしか学べません。
曖昧な目的で資格を取るための勉強をする時間があれば、仕事をしたほうがよほど早く目的に近づけるというものです。
目的を達成するための資格
資格を取るという行為は、目的を達成するための手段であるべきです。どうしてか、資格を取ることが目的化してしまっている人がいます。
資格を取るための過程が楽しく、勉強そのものや、集中して何かに取り組むという姿勢や、知識欲を満足させたりといった行動が生きる活力担っている、言い換えれば趣味で資格を取る、というのであれば特に何もいいませんが、何か達成したい目的があって、そのための努力をしているはずなのに、気がつけば資格を取るための努力になってしまっている人は、今一度その資格が目的に合っているのか、目標を達成するために必要なのか?を見直すべきです。
定年後の助けのためにと、勉強のしやすい20台や30台の若いうちに資格を取る人もいますが、その人が定年後にもその資格は役にたってくれるのでしょうか?今の若い世代の人が定年を迎える頃には日本の社会情勢はとても楽観的な状態だとは思えません。その時に今人気のある資格が役にたってくれるでしょうか?はなはだギモンです。
20年前であれば司法書士になれば安定した収入が得られると言われていましたが、現代ではそれだけで安定収入が得られるわけではありません。資格を取りさえすれば生活できる、というような資格はほとんど無いと言っても良いです。
なぜなら、収入は資格の有無だけではなく、仕事ができるかどうか?誰かの役に立てるのかどうか?ということで決まるからです。
定年後に活かせる資格というのは、現在の仕事に直結したもの、その延長線上にある資格が良いと思います。
例えば長いこと総務や人事で働いてきた人なら、社会保険労務士など、研究機関で働いてきた技術者なら弁理士など、というように現在の仕事でも接するような先にある仕事に結びつく資格が良いです。
あくまでも目的を達成するための資格であって、資格そのものが目的では心もとないです。
まとめ
資格というのは、資格取得マニアでもない限り、そうたくさんの資格を取る必要はありません。
資格はあくまでも知識や経験を外部に示すためのものであって、仕事そのものができるという証明には成り得ないからです。
関連性の無い資格をたくさん取得したところで、それぞれの資格がなんの絡みも持たないのであれば、ただの物知りでしかありません。
資格をもって生活の助けにしたいと考えるのであれば、今やっていることやその先にあるものの資格を取る必要があります。
弁護士の資格を持っているだけで、実務経験の無い弁護士に仕事をお願いしたいとは思えませんよね。
そういうことだと思います。