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寝る前に子どもにスマホを見せると寝不足の原因になる、はホント!?

くまです、こんにちは
最近、(というか、ここ数年という意味の最近で、つまり子どもが物心ついたあとからずっとですが・・)子どもの就寝時間が遅くて困っているくまです。私だけの悩みなのかと思ったら、そうでもなくて近所の奥様方も「もうあきらめたわぁ」などと前向きな意見が聞かれますが、子どもがきちんとした睡眠時間を取ることは成長にとても大切な意味を持ちますので、諦めたくは無いものです。

スマホが、ゲームが、テレビが寝不足の原因?

巷で言われる子どもが寝ない3大原因は、スマホ、ゲーム、テレビ、だと言われています。どれも映像関連なのは偶然でしょうか?

実はこの3つともにある共通しているものは、どれも液晶画面がついていて、その映像をみながら操作、あるいは映像そのものを視聴する。ということです。そしてこの液晶画面から出される映像、つまり光や光線が、子どもたちの、もっといえば大人もですが、睡眠を妨げているのです。

もちろん端末に映されている映像が面白くて興味があるので、興奮して眠くならないという理由もありますが、それだけではありません。

これらの端末が利用している液晶画面は様々な波長の光をだしていますが、中でも青色系の波長の光を多く出しています。これはスペクトル分析という方法で、どんな波長の光を出しているかを分析した結果で、ご興味があれば、少し調べればたくさんの結果を見ることができます。

液晶画面から出る光の波長は、蛍光灯やLED照明とほぼおなじ傾向にあって、500nm以下の青色系の光線を多く含みます。これは白熱電球やろうそくの灯り、または太陽光などと比べても明らかに異なる点で、液晶画面とブラウン管でも液晶画面は青色系の灯りを多く発している事がわかります。

青色光が多くなると、物の見え方がシャープになったり、見やすくなるという効果があります。白熱球の灯りだけで本を読むより蛍光灯の灯りで本を読むほうが読みやすいと思いませんか?

そんな訳で人は知らず知らずのうちに照明に青い光を多く含むモノを好み、その数も増えていったということです。

これら青色系の光を発する機械は、現代では当たり前のようにそこら中にありますので、どうやら、現代生活では、以前に比べると青色系の光が多くなってきているということはわかりました。現代生活においてその全てを避けて生きるということは不可能ですね。

では、青色光がなぜ問題になるのか?という点について考えてみましょう。

睡眠不足の歴史は照明の発展の歴史

実は人々の睡眠時間が短くなって来たのは(つまり睡眠時間が短くなる)世界的な現象で、照明の普及とともに目立ち始め、夜型生活に大きく傾向が動くのは19世紀末頃からです。

まだ灯りも十分でなかった、大昔の人は、日の出とともに起き、日没と共に就寝していました。この生活はかなり長い事続き、おおよそ18世紀頃まで続きます。灯りがなければ人は何も見ることはできないので、遅くまで起きていいる意味が無かったというのもあります。もちろん18世紀以前も人はろうそくやオイルランプなどで灯りをとっていましたが、その明るさは現代の電球一個と比べても遥かに暗く、また色味も炎そのものの赤っぽい光でした。

ところが、エジソンによる電球の発明以降、徐々に人々の夜の生活はその活動時間を伸ばすようになってきます。それこそ灯りさえあれば一晩中でも作業することが可能になってきました。さらに、世の中の灯り文化は拡大し、大都市に至っては24時間どこを歩いても真っ暗で辺りが分からないようなところはほとんど無い状態になりました。

そして照明器具はより明るく、より効率よくを使命として発達していった結果、現代の照明は、全般に青色系統の照明が一般的となっています。その代表的なものが蛍光灯で、赤外光が最も強くなる白熱電球に比べると480nm~500nmの青い光が最も強くなります。

灯りの発展と共に人々の睡眠リズムが変化してきたわけですが、これは人の睡眠リズムが、環境の光によって作られている事が理由として挙げられます。


睡眠のメカニズム

睡眠のリズムは、朝に日が登ると覚醒し、夜に日が沈むと眠くなるというのが大まかなリズムです。これを「既日リズム」と言います。このリズムは、脳の中にある松果体という部位から分泌される「メラトニン」という物質の量によってコントロールされています。

つまり、朝日を浴びるとメラトニンの分泌が抑えられ、体は活動にふさわしい状態になっていく、そして夕方から夜にかけて光量が現象してくるにつれて、メラトニンの分泌量が増え、脈拍、体温、血圧を低下させ、体に睡眠の準備を促します。暗くなるとなんとなく眠くなって、明るくなると目覚まし無しでも目が覚めるのはこの「既日リズム」のおかげなのです。

「既日リズム」が崩れると、睡眠障害が起こり、ホルモンバランスが崩れたり、精神の均衡が取れにくくなるなどの様々な障害が発生します。

このメラトニンの生成は太陽光の量で変化するので、人は日中活発に動き、夜間は睡眠を取るというリズムで生活できるのです。メラトニンは5歳くらいまでの時代が最も多く、年をとるに連れて少なくなってきます。年寄りほど睡眠時間が短いのはそのためです。

さて、メラトニンの生成抑制の主な光源は太陽光によるものですが、太陽光の中でも青色系の光がもっともメラトニンの抑制に貢献することがわかっています。青色系の光線による抑止効果は赤色系の約20倍以上の効果があると言われています。また、太陽光以外の光源でも効果は代わりませんので、現代生活における青色光のシャワーは人々の睡眠リズムを狂わせるのに十分な働きをしています。

特に睡眠前に青色系の光線を目にすると、メラトニンが生成されず、寝付きにくい状態になってしまいます。

どうすればよく眠れるようになるか?

この影響が顕著に現れるのは5歳未満の子ども達です。日中から夕方にかけて徐々に眠くなってくる時間に、蛍光灯照明の下でテレビなどを見ることでメラトニンの生成が邪魔されるので、本来であれば7時から8時前には眠くなってしまう子どもたちが、10時、11時を過ぎても平気な顔をして起きています。

これは親のしつけがなっていないということではなくて、環境の影響なのです。特にテレビやスマホなどの端末は、ぼんやり見ているというよりは、光源そのものを注視しますので、影響はより強く現れます。

対策としては、

◎日中は表にでて良く日の光を浴びる。
◎夕方から夜にかけては照明を暗めに設定するか付ける数を減らし全体照明はなるべく消すようにする。
◎照明の色を変えられる機能があれば、演色を赤みの強い色に変える。蛍光灯は避け、白熱色の灯りを増やす
◎可能であれば、LED電球等の場合も同様に白熱系の色に調光する。
◎早めの入浴を済まし、体をリラックスしやすくする。
◎テレビなどは早めに消して、ゆったりとした音楽などを流す。
◎ゲームやスマホなどの端末は目にはいならいようにして早めに布団に入る。
◎寝付くまでお話を聞かせてあげるなど、子どもが安静で安心できる雰囲気を作ってあげる。

5歳時くらいまでの子どもは1日に14時間ほどの睡眠が必要だと言われています。大人の生活が夜型だと子どもの生活も夜型になってしまいますが、朝起きる時間は遅刻などの影響で変わりません。夜型はそのまま睡眠時間の少なさに結びついています。子どもの睡眠不足を嘆く前に、できるだけ大人である親も早めに睡眠を取り、早く起きる朝型の方がよいですね。

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