借金を抱えているとなんだか気持ちが悪い。悪いだけならまだしも毎月毎月綱渡りのような返済を繰り返していると、なんの為に生きているかすらわからなくなるくらい気持ちが沈んできます。稼いでも稼いでも全部借金に消えるのに、一向に減らない元本。借金を返すために他の業者や銀行から借金を繰り返していて当に自転車操業中。宝くじでも当たれば一瞬で解決するのになんて妄想を抱いたことがあるはずです。
減らない借金の仕組み
借金というのは減りにくい仕組みになっています。というのもいくら借りたらいくら返せば良いのかが借金の期間が長くなればなるほど不鮮明で且つ、増える仕組みになっているからです。
一般的なカードローンは金利充当式の複利で計算するので、毎月の返済分から金利を除いた分だけが元金に充当されます。つまり毎月の返済が1万円でそのうち当月分の金利が9000円なら元本は1000円しか減りません。
カード会社の方では月の返済下限金額が、月の金利よりも若干多くなるように設定してあります。ですので、毎月返していれば借金が増えることはありませんが、減る額も微々たるものです。
もともと手持ち資金が不足しているのでカードローンなどという安直な方法に頼っているのですから、月々の資金計画を見なおさない限りは借金は増えることはあっても減ることはありませんね。
おまけにカードローンは4社くらいは定収のある方であれば普通は審査に通りますので、気が付くと借金可能額はどんどん増えます。そうなんですね、月々の資金が足りないところにカードローンで借金をすれば、月々の出費は増えるのが当然なんです。増えれば足りなくなるのでまた借りざるをえないという悪循環の上に、複数会社とのカードローン契約があれば、枠内で何度でも借り入れができますので、A社で借りてB社に返すということが可能になります。
一見これで回るように見えなくもないですが、この返済方法では金利は一切減りません。つまり月々の金利分がさらに出費に加算されますが、これは目に見えにくいので中々意識できません。
一般的なカードローンは金利9%~14%程度です。この金利で上限50万円のカードローン6社から満額借りたとすると少なくとも年に36万円は金利で消費することになります。
毎月1万円ずつ6社に返せずに3社から借りて3社に返すを繰り返しているとこの36万円が負担となっているのです。より一層資金繰りが苦しくなりますね。
これが多重債務というものですが、多重債務は同じ額を1社から借り入れるよりも数段完済が難しくなります。理由は月々の返済が許容量を超えるために借金返済の為の借金をするからです。単独会社からの借り入れであれば、借金のために借金をするということはありませんので、少しずつでも確実に減ります。
実はこれは実によく計算されていて、破産という選択を取らせずにできるだけ長い期間借金を背負ってもらうために作られた巧妙なしくみなんです。カードローンの裏には必ずといっていいほど、クレジットカードの存在があります。
なぜ借金をするのか?自分を知る
借金をする際にいきなりカードローンで現金を引き出す人はあまりいません。ほとんどの人は借金という意識すら無いクレジットカードによる借金から始まります。1回払でも借金は借金なのですが1回払いであれば利息は取られません。しかし、リボルビング払いは最悪に近い選択といえます。リボ払いでお買い物を繰り返していると、毎月の返済額が少ないため、ついついお買い物が進んでしまい、あっという間にカード上限にまで達してしまいます。さらに月々の利用実績と返済実績に滞りがなければ、カードの利用上限もカード会社がサービスと称して引き上げてしまいます。
始めは30万円程度だった上限も繰り返し利用しているうちに100万円くらいにはあっという間にあがります。特に上限付近まで利用する人にはカード会社からのおススメもあったりして枠が増えていきます。
それでもまだ月々のリボ払いの範囲で済んでいれば顕在化はしませんが、クレジットカードも複数枚持つのが当たり前になっていますので複数社のリボ払いがかさんでくるとただでさえ少ない給料はさらに目減りします。それでもお買い物はカードがあればできてしまうので、自分ではそれと意識しないままにリボルビング払いの名目で実質年利15%以上という高金利の借金が増えていきます。
ある時に返済可能金額とリボルビング払い上限を超えた部分の一括返済がやってきて、慌てて資金調達を考えるというのがカードローンに手をだす理由の多くです。
多くの人はここに至るまでに3年や4年、長ければ10年近くかかります。つまり10年近くも高金利で借金を返済し続けていながらにして借金をしているという意識が無いのです。
カード払いは多くの場合現金を用意しなくてよい、ポイントが付くなどの特典目当てで使いますが、中には当座の資金繰りを回避するために返す当ても無い利用を続ける方がいます。この方が後の多重債務に陥る方々なのです。いくつもの段階を経て多重債務者となりますので、そこから脱出する道もまた非常に困難です。
脱出するためには、なぜ自分が借金をしてしまったのかを、一切の甘えや妥協、不可抗力など存在しない、全て自分の責任であると認めることからスタートします。少しでもイイワケや、やむを得ない事情を考慮したところで全く意味はありません。不可抗力なら借金が減るならまだしも、そんな理由で減る借金はありません。あるとすれば、弁護士などを介して過払分返済の返還手続きを取れるくらいです。
ただし、たとえそれでも借金が0円になることはありませんので、二度と借金ができない環境を作るでもしないかぎりまた増えますね。多重債務者はそういう性質なのですから、お金がなくても使いたい、使わないとならないという使命を背負っているかの様に使うのですから仕方がありません。
カードローンやリボ払いの借金は弱い人間を狙います。きっちり計画してお金を借りる人はもっときちんとした手続きでもっと安い金利でお金を借ります。自動車ローンや住宅ローンで金利10%とか聞いたことありますか?きちんとした計画と手続きができない人向けの借金がカードローンであり、リボルビング払いなのです。
つまりいい加減で小手先で誤魔化しばかりして、見栄ばっかり一人前の出来損ないが自分なのです。お金を持っている人が偉くてかっこいいとかお金を使うことが気持ちいいとか、ともかくお金にめっぽう弱い人なのです。世界で一番大事なのはお金だとか考えちゃっている勘違いな人だと理解したら先に進みましょう。
妥協せずに返し続ける
借金を減らす方法はたったひとつです。返済計画を立て、それに従い一切の妥協を排して最後まで完遂することです。
資金繰り計画を確実に立てます。大雑把なものなら最低でも10年分は立てます。次に金利の計算をします。カードローンやリボ払いは各社計算方法や元本の充当タイミングなど解説してありますので調べます。わからなければ電話で尋ねれば丁寧に教えてくれます。そうすると年にいくら返済し、いくらの利息を支払い、何年で完済できるのかがしっかりと把握できます。複数の返済先がある場合はエクセル等を利用して一覧表を作ります。
次に収入計画を立てます。収入計画は厳し目に、例えば残業時間をフルに考慮せずに、半分にして計算をするとかボーナスを少なめに見積もっておくことです。数年ではなく10年先を見越して収入が一切増えないというくらいの厳しさで計画を立てましょう。
実際、今後の日本経済を見るに、一般のサラリーマンがなんの努力もなく収入が増えるということは宝くじに当たるくらいあり得ない事になりますので、その辺りは厳しく見積もります。
収入計画と借金一覧を元に返済計画を立てます。ここで返済の見通しが立たない場合、迷わず債務整理を専門にしている法律事務所に相談をしに行きましょう。ムリなものはムリなのです。一生借金を背負っていくには金利14%は重すぎです。10年かけても返済できないという場合は迷わず相談しましょう。法律家に相談をすると、借金をひとまとめにしたり金利や元本の圧縮、又は一切の免除(自己破産という)返済計画をプロが立案してくれたりするという手続きが可能になります。
自分で作った借金を他人に始末してもらうのは・・・と抵抗を感じる必要はありません、人生に失敗はつきものです。いつまでも失敗を引きずると立ち直る機会すら失い人生を棒に振ることもありえます。具体的に言えば結婚できない、離婚の原因、子どもの進学費がだせなくて進学を諦めさせる、事業の失敗など、、、たかが借金です。銀行を喜ばせるために人生があるのではありません。自分の人生を生きるのに銀行に少々血を出させることなんて、しかも向こうは個人分で痛みを感じることなんてほぼありません。正当な手続きであれば出来る手段は全部やる、のが当たり前です。10年かかっても返せない借金なんて、住宅ローンですらバカバカしいのにましてや10%を超える借金です。100万キープでで10年だとしたら倍ですよ。アホですヨそれでも無くならないのです。
さて、自分で返して行けそうな計画を立てるには、当然支出を減らす必要があります。だって収入は増えませんので・・
無駄を徹底して省くようにします。例えば、タバコ、ジュースなどの嗜好品、付き合いで行く飲み代、見栄で購入していたプレゼント。趣味に掛かるお金、不必要な通信費、スマホは必要ですか?Wifiも必要ですか?。車は黙っていても年に数十万のお金が出ていきます、これもなくしましょう。無駄や贅沢は全部なくしましょう。続いて水道光熱費、電気、ガス、水道、マメに消して無駄はしない。寝たまま付いているテレビとか誰も居ない部屋の空調とか、無駄に捨てている食材を減らす。使っていない電気器具をコンセントから外すとか、こまめな工夫が必要です。これらをきっちり達成するために一番大事なのは、自分が持っているもっとも不要なもの、つまらない見栄を捨てようです。そして返済計画を見直し、完済できた時のすっきり感を想像して、一切の妥協なく完遂します。修行僧になったつもりで徹底してください。
実はもっとも良いのは弁護士相談
大切なことは、何が自分にとって一番大事なのかを見つめなおすことです。借金をごまかして生き続けることですか?つまらない見栄を守るために借金を続けることですか?生涯の伴侶に一生背負わせても大丈夫ですか?
実は多重債務の多くは弁護士に相談することでかなり整理が可能になります。消費者金融というものは借り手側に非常に不利にできています。言い方は悪いですが生殺し状態でずっと利息を取りつづける仕組みがしっかりと出来上がっています。ここにメスを入れることができるのは然るべき地位と能力のある弁護士くらいなものです。
きちんとした法律手続きを踏むと借金が減るっていうのは不思議だとおもいませんか?でも本当なんです。親に頼るよりも銀行に相談するよりも、他所に借りにいくよりも法律家を頼りましょう。きっと相談してよかったと思えるはずです。