くまです、こんにちは
昔実家で飼っていたネコは時々庭に生えている雑草を食べては吐き出すということを繰り返していました。その時は何やってるんだろうと思っただけなのですが、ネコにとっては胃腸のケアに大切な行為だったようです。誰から教えられたわけでもなく、自分に必要なことを知ってるってすごいなぁと思います。
ところで、そんな生活の知恵ってもちろんネコだけじゃなくて人もたくさん持っていますね。季節毎に食べると良い食べ物って実は生活の知恵がたんまり詰まっているんですね。
春の七草は胃腸のサプリメント!?
お正月7日に食べる「春の七草」こと、「七草粥」みなさんのおうちでは毎年食べていますか?くまの家では毎年七草セットプラスダイコンやお餅をいれたテキトウオリジナルくま風七草(実際10草くらい)のお粥を作ります。
子どもたちは食べないかなーとおもいつつも毎年けっこうしっかり食べていますので、たぶんおいしいのだと思いますが・・
実は七草粥って胃腸にとっても良い食べ物ばかりで作られているって知っていますか?
「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ、これぞ七草」と語呂ももよく覚えやすいので耳馴染みな方もいると思います。このほとんどの食材が食物繊維、と消化酵素を含む胃腸に優しい食べ物なんですね。初めて聞いたときはとても驚きました。
しかも、いまでこそこれらの草は栽培されたりしていて、あまりその辺で見かけるってこともありませんが、江戸時代頃には、普通に野山や道の端に生えている雑草だったようです。
道野辺に生えている雑草だって何十種類もあったりするんですけど、その中から体によい食べ物になる草を選び出すっていうのは当に生活の知恵なんだなぁと感心しきりです。
七草粥の効果・効能
という訳で、体に優しい七草粥ですが、どんな効果があるのでしょうか?
地方毎に多少のバリエーションはあっても、おおよそ上に書いたような食材を使うところは共通しているようです。大体はこの季節に取れる食材を使うようですが、ときには保存してあった食材を使うこともあったようです。食材を保存するというのも生活の知恵ですし、保存することで栄養がより充実する食材もあります。
例えば干し柿なんかは七草粥に使うことはあまりないようですが、干すことで長期間の保存が効くようになるばかりか、ビタミン類が増えたり甘みが増すなど、良いことずくめです。そういえば最近はあまり干し柿を見かけませんが、子供の頃はよく食べていた気がします。
それで、話を戻して七草粥の効果ですが。大体以下の通りです。
◎食物繊維で胃腸をすっきりさせる効果
◎ビタミンCでお肌の荒れを整える
◎血糖値の上昇を抑える
◎食欲増進
◎利尿作用を高めむくみを解消する
◎ビタミンB群で免疫力を高め風邪の予防
◎胃腸を補修して整える
◎消化酵素の働き
◎抗酸化作用
◎解熱作用や解毒作用も
今も昔も変わらない風習
七草粥を食べるようになったのは、正確にはわかっていませんが、平安時代と言われています。現在のような7種類以上の野辺の草を入れて調理するようになったのは、室町時代と言われています。
ですので、ざっと1000年以上も七草粥の風習は残っているものです。そして1000年間ものあいだ、お正月といえば、ごちそうを食べてお酒を飲んで少々羽目を外して賑やかに過ごすという風習も残ってきたのですね。で、羽目を外した後には胃のもたれや食べ過ぎによる不調などがでるのも現代と変わらずということですね^^。
そうやって羽目を外して胃腸に負担をかけた後は、やっぱり胃腸に優しいものが食べたくなるし、どういった食材が体に優しいかを経験で学んで知っていたということが驚きとともになんとなく微笑ましく、人ってすごいなぁと思うのです。
調理方法も、固くてスジばった植物をおいしく食べられ、栄養をあまさず得られるようにと、前日のうちに叩いたり細かく切ったりして水に晒し、その晒した水を使って調理するなどで、全ての栄養を余さずに使い切ることができるのです。
そういう知恵というか、経験から学んだ知識を絶えることなく伝えていきたいなぁと、今年も少しずつアレンジしながら七草粥にチャレンジして行こうと思います。
まとめ
生活の知恵というか、経験による知識というものはほんとうに感心することが多いです。おばあちゃんの知恵と言いますが、手毬歌の中にも昔の人の知恵が込められていて、文字を残せなくても物語や歌で知恵を次の世代に伝えていく。穏やかな中にも強い信念を感じさせる先達の愛情にほんとうに感動します。
現代は文字やインターネット上に気軽にいろいろな知恵を残す事ができるようになっています。いついかなる時にでもこのデータ化された知識が残り続けるとは思いません。あらゆる手段で知恵を後世に伝えていくことが過去の知恵を引き継ぎ、そして未来へ伝えていく私たちの責務だと思います。歌もココロも、母から子へそしてそのまた先へと伝え続けていきたいと願っています。