ドライアイの方がカラコンなどのコンタクトレンズを装着した場合、どんな問題が出やすいかご存じですか?
安全にカラコンを使うために私たちでもできることをドライアイとカラコンの関係でまとめてみました。
ドライアイとコンタクトレンズ
眼科の先生のご意見では、重度のドライアイの方はカラコンはもちろんのこと普通のコンタクトレンズもお勧めできないという意見が大半を占めています。
なぜかというと、
目が酸欠になったり、眼球が傷つきやすくなるためです。
カラコンは普通のレンズと異なり、着色成分を加えて作られるので透明のコンタクトレンズに比べるとレンズが多少厚くなります。
そのため普通のレンズに比べると、どうしても酸素透過率が低くなるようです。
目で必要な酸素は、ほとんどが外気から涙を通して補給されます。
外気中の酸素が涙に溶け込み、その酸素は涙から直接角膜に吸収されます。
通常、カラコンなどのコンタクトレンズは、眼球に直接張り付くのではなくて、眼球の表面に膜のように広がっている涙液の上に浮いていて、ある程度自由に動いています。
正常な状態だとカラコンと眼球の間には涙液が十分にあって涙液がきちんと補給されて、いつも新鮮な涙液が循環するようになっています。
コンタクトレンズは涙液の上に乗っているのでレンズに覆われた部分の涙液は外気と接していません。
そのため、眼球に酸素を補給するためには、酸素はコンタクトレンズを通り抜けてこないといけません。
カラコン装着中に目に補給される酸素は、コンタクトレンズを通り抜けて来たものだけになります。
ですから、レンズ自体の酸素透過率が少ないと、目に届く酸素の量は少なくなってしまいます。
カラコンの酸素透過率が大事なのはそのためです。
涙液の役割
涙液の役割は目にうるおいを与え、酸素や必要な栄養を届けたり眼球のごみや細菌を洗い流すなどの働きをします。
涙液が不足したりムラができたりすると、コンタクトレンズが直接眼球に張り付いてしまい新しい涙液が入り込むことができなくなります。
目に直接張り付くと、カラコンはそこから動けなくなります。
そのまま装着していると、張り付いた感じや痛みなどの不快感を感じたり、ひどいときは外せなくなったりします。
また、コンタクトレンズと眼球の間のホコリなどのごみが涙液で流されないため、カラコンによって目に押し付けられ角膜にやすりをかけたような傷がつくこともあります。
このような理由で眼科の先生はドライアイの方がカラコンなどのコンタクトレンズの利用することをお勧めしていないのです。
ですから、ドライアイの方がカラコンを使うときには日常生活を含めて、より一層の注意を払ってケアをする必要があります。
ドライアイとコンタクトレンズで注意すること
ドライアイの人がカラコンをつけているときに注意することはまずは「目を乾燥から守ることを心がける」ことです。
ではどんな時に目が乾きやすくなるのでしょうか?
◎季節の影響
冬場は特に空気が乾燥しているため、目も乾燥しやすくなります。
ドライアイの方はもともと目が乾きやすい性質なので、冬場の乾燥には気を付けないといけません。
できるだけ装用時間を短くして、少しでも乾いたと感じたら目薬をこまめにさすなどしてうるおいを保つようにしましょう。
夏場は湿度が高いから大丈夫だと思いがちですが、気を付けないといけないのはエアコンと扇風機です。
エアコンの風は外の空気に比べると乾いているので空調の効いている部屋は以外に乾燥しています。
またエアコンや扇風機の風が直接当たると乾きやすくなります。風が直接当たらないように注意しましょう。
目の乾きを感じたらこまめに人口涙液の点眼液などでうるおいを保つようにします。
※点眼液はソフトコンタクトレンズ専用のものを使います。保存料などを含まないもので、使い切りタイプがおすすめです。
サンテン製薬などから出ている人口涙液がお勧めです。
◎天候の影響
強い風がが吹いているときなどは目にゴミやホコリが入りやすくなりますし、風の影響で目が乾きやすくなります。
風の強いときは、屋外での使用をできるだけ避け室内にいるときだけ使うようにしましょう。
◎花粉の季節
花粉症の方は季節を問わずに症状がでているときはカラコンなどのコンタクトレンズ類は避けた方が良いようです。
花粉症の場合は眼科での受診をおすすめします。
花粉症用の目薬のなかにはコンタクトレンズに適さないものもありますので必ず眼科を受診してください。
◎自転車など乗り物
自転車に乗っているときは風が強いときと同じで、強い風を直接受け安くなります。
自転車の他にはジェットコースターやバイクなど、顔に直接風を受けるような乗り物に乗るときは注意が必要です。
目にゴミが入るとあっという間に目を開けていられなくなります。自転車やバイクなどは事故の
@VDT症候群
パソコンやスマートフォンなどのIT機器の利用が多い人に見られる目の症状で、その中にドライアイも含まれています。
目がかすむ、目が乾くなどの疲れ目の症状から、ひどい場合は心身のストレスとなってイライラやうつ症状を起こすこともあります。
また、パソコンなどを利用すると上目使いになりやすくなります。
ご自分でも試してみるとわかるかもしれませんが、上目使いの場合は正常位に比べて目が乾きやすくなります。
また、IT機器を利用している時はまばたきの回数が極端に減る人もいます。
パソコンなどの機器をお使いの場合は、1時間に1回は休憩をはさみ濡れタオルや蒸しタオルなどで目を休ませる必要があります。
◎まばたきについて
自分ではなかなか分かりにくいのですが、まばたきをするときに、目を完全に閉じない人もいます。
これを防ぐには意識してまばたきをする必要があります。
ゆっくりめに、まぶたが完全に閉じることを意識しながら、まばたきをすることだけでも涙の循環が改善されます。
◎睡眠中
睡眠中のコンタクトレンズは絶対にNGです。
睡眠中は涙の量はとても少なくなります。
睡眠中に目で必要な酸素はまぶたの裏の血管から補給されますが、コンタクトレンズをつけていると、まぶたと目が触れないので目に届く酸素はほとんどなくなってしまいます。
さらに涙の量が少ないので、コンタクトレンズ自体が目の水分を奪っていきます。
ですから、睡眠中は平時よりも目が乾きやすくなります。
実際に体験すると分かることですが、ほんの少しうたた寝しただけで目が真っ赤になったという経験をしたことがある人も多いはずです。
短時間の睡眠でも必ずコンタクトレンズははずしましょう。
装着時間について
ドライアイではない方でも、カラコンの連続使用時間はできるだけ短くしましょう。
ほとんどの製品には取扱い説明書に連続装用時間の目安が記載されていますが、慣れないうちは説明書の時間にかかわらず、3時間程度を限度にして徐々に時間を延ばしていくようにしましょう。
慣れた後でも最大で8時間を超えての連続使用はやめましょう。
カラコンを外した後は十分に目を休ませましょう。
これらのことは普段はドライアイの症状がでていない人でも注意しなくてはならないことです。
ドライアイであればなおさら注意が必要な点ですね。