節分といえば豆まきですね。子どもの頃は歳の数だけまいた豆を拾って食べたものです。ですが、豆まきってなんで豆まきなんですかね?豆じゃなくちゃだめなんですかね?硬いものがいいなら乾燥したお餅とか、鰹節とか、もっと撒きやすいといえばお米なんてどうなんでしょうね?
今回はなんとなく豆まきをしている節分についてまとめてみました。
そもそも節分って?
節分というのは二十四節気のうち春の始まりである2月4日の「立春」、夏の始まりである5月5日の「立夏」、秋の始まりである8月7日の「立秋」、冬の始まりである11月7日の「立冬」のそれぞれ前日を指します。
ちなみに節句とは異なりますのでお間違いなく。
世間でいう豆まきをする節分はこのうちの立春の節分を指します。なぜにこの春の節分にだけ豆まきをするのかというと、この手の話をすると大体登場する時代の室町時代に、冬から春に移り変わるこの時期を最も重要な時期だと考え、特に邪気を払うことに熱心になったからだと言われています。
季節の変わり目に邪気が入るというのは少々正解ではなく、正確には、陰陽五行説によるところの、陰である冬から、陽である春に移り変わる際に邪気が入りやすいということなのですね。
節分に豆まきをするのはどうして?
新しい年を迎える前に邪気を祓って福を呼びこむために宮中では追儺(ついな)という儀式が行われます。これは俗にいうところの厄払い、おにやらいとも呼ばれます。追儺と書いておにやらいとも呼びます。
そのついなの行事のひとつに豆打の儀式というのがあって、今に残る豆まきの習慣はこの豆打の儀式が残って伝わったものと言われています。
一説には都を荒らしていた鞍馬山の鬼の目を豆でうちつぶして都を災厄から守ったと伝えられており、それを当時の役人が節分に行事として行った事から民衆にも広まったとか。
節分でやっつけられる鬼って?
この鬼というのは昔話などでも度々でてくるメジャーなキャラクターといえますが、ツノが生えていて、青やら赤やらでトラジマのパンツをはいて金棒を持っている恐ろしげな怪物な、アレですが、豆ごときでやっつけられるかというギモンはさておき。この鬼っていうのは一体何者でしょう?
これまた陰陽説になりますが、オニはオンと読み、オンは陰(オン)に通じるというわけで、オニというのは、陰陽説の陰を指すのです。陰陽説ではいうまでもないことですが、陰は邪を含む目に見えない悪い気の事を意味しますので、オニというのはさしずめ災厄全ての原因出会ったり、災厄そのもののことなのです。
つまり、ツノが生えて牙があって~という姿は、人からみた災厄をイメージした姿なのですが、参考までにツノやらトラジマのパンツの由来は、オニの住む方角が鬼門である丑寅の方角であるから丑のツノとトラの皮と牙をイメージしたものだということです。いやはや昔の人の想像力はちょっと私の想像力を超えますね。
そんな強そうなオニが豆ごときハトのエサでやっつけられてしまうのか?というギモンですが。豆は豆でも大豆はすごいんですよ。そもそも五穀をいうのは霊力も強く、穀霊が宿るとされるものですが、大豆はその中でも特に粒が大きく穀霊で悪霊を退治するのに最適であるとされていることや、魔の目に効く、(豆=マメ=魔目)ということから(摩滅=まめ)といろんな語呂合わせもあって大豆が採用された上に、さらに炒った豆を使うことで、(炒る=いる=射る)と魔目を射るから摩滅となるという、事です。
これは炒り豆を使うことで撒いた豆が勝手に芽を出さないようにという配慮もあったとか・・
まとめ
節分に用意するのは豆だけじゃありません。一般にニオイがキツイものや先の尖った物を厄払いに用います。そういう事から鬼の苦手な物はニオイのキツイイワシの頭とトゲの痛い、柊の枝とされていて、この組み合わせで軒先刺しておくと鬼の侵入を防ぐことができるそうです。
もっともニオイがキツイのは鬼だけじゃなくて、人も同じなようで、鰯の方は今はあまり都会の方では行われていないようです。