『麗龍学園生徒会』感想レビュー|”普通”な少女が辿る、特別な青春の軌跡
『麗龍学園生徒会』は、穂兎ここあ氏による学園恋愛ファンタジー小説。小説投稿サイト「小説家になろう」で連載された後、ビーズログ文庫アリスより書籍化されました。
舞台は、財界や政界の子息が集う名門・麗龍学園。そこに通う“超普通”な少女と、“超ハイスペック”な生徒会メンバーとの交錯する想いと成長が描かれた青春群像劇です。
主人公・楠原芽榴の魅力とは
楠原芽榴(くすはら・める)は、「どこにでもいる普通の高校2年生」。容姿も学力も運動神経も取り立てて目立たない少女です。
しかし、副会長・風雅の生徒手帳を拾ったことで彼の目に留まり、一目惚れされるという非日常な出来事に巻き込まれ、生徒会との接点が生まれていきます。
芽榴の魅力は、その“普通さ”の中にある芯の強さと、誠実な人間性。周囲の華やかで完璧な生徒会メンバーたちにとって、芽榴の存在は“癒し”であり“刺激”となるのです。
麗龍学園生徒会の美形メンバーたち
副会長・風雅(ふうが)は、知的で上品、かつ一途な青年。芽榴に出会った瞬間に好意を持ち、直球で「恋人になってください」と申し出るなど、真っすぐな情熱を持っています。
ほかにも、義弟の楠原圭、冷静沈着な秋月、無邪気な氷堂と、いずれも少女漫画顔負けの魅力的な人物たち。
本作はマルチルート構成になっており、それぞれのメンバーとのストーリーで異なる関係性が描かれるのも魅力の一つです。
心に残るエピソード紹介
楠原圭ルート:「普通の自分に価値はあるのか」
芽榴が「自分には何もない」と劣等感を抱いていたとき、圭がかけた一言が強く印象に残ります。
「君が君であることが、僕には何よりも価値がある」
他者の視点を通して自己を認めることの大切さを教えてくれる、感動的な場面です。
ちなみに圭ルートは本編ではなく、extraに掲載されています。
風雅ルート:「孤独な完璧主義者の再生」
風雅は常に周囲の期待に応え続けてきた“完璧人間”。その裏には、「誰も本当の自分を見ていない」という深い孤独がありました。
そんな彼にとって、何の見返りもなくそばにいてくれる芽榴の存在は、自己再生のきっかけとなっていきます。
読者からの反響と評価
本作には以下のような声が寄せられています:
- 「芽榴の成長に涙した」
- 「どのルートも濃密で読み応えがある」
- 「最初はヒロインの卑屈さが気になったが、それも成長の一部として納得できた」
特に、義弟・圭との関係性における心理描写には多くの共感が集まっています。
総評:普通であることは、決して弱さではない
『麗龍学園生徒会』は、「普通」と「特別」という相反するテーマを丁寧に描き出した作品です。
「生まれながらの才能や美貌がすべて」という現代的な諦念に対し、「普通であること」もまた他人を救い、変える力になることを静かに、しかし力強く提示してくれます。
おすすめしたい読者層
- 学園ラブコメが好きな人
- 登場人物それぞれの心の動きをじっくり追いたい人
- “自分に自信がない”という気持ちを抱えている人
- マルチエンディングでいろんな結末を欲張りたい人
私からは風雅ルートがおすすめ。芽榴の魅力が最も自然に伝わる導入ルートであり、物語全体のトーンを掴みやすくなっています。
でも、聖夜ルートも「やっぱりそうだよね!」感があって王道。
慎ルートは、、個人的には好まないけど、唯一のR指定?ルートです♡
芽瑠の内面描写は、読み手によってはまどろっこしいし、もしかしたらすっごいいい加減にしろ!的かもしれません。もしかしたら唯の淫乱女って思えるかも。
だけど、ほとんどの女の子が内面に同じ物を持っていて、上手にそれを隠しながら生きてるよねっ?ってきっと分かると思います。
そして、読後にはきっと、「自分って、そんなに悪くないかも」と思える――そんな優しい余韻が、心に残るでしょう。
ま、でもマルチエンディングを続けて読んでくと・・・芽瑠、、お前大丈夫か・・って心配になるかも?女優はつらい(;^_^A