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子供に見られる先延ばし行動の原因と親の対応を考える。

      2015/09/07

「どうしてもっと早く宿題をやってしまわなかったの!」

夏休みも終わり、多くの家庭でこんな声が聞こえたのではないでしょうか?

この先延ばし行動って、自分自身にも身に覚えが無い人はあまりいないと思います。
子供たちにどなり声を上げる前にちょっとだけ考えてみましょう。

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この「先延ばし」ですが、

どうしてやらなければならないことを
今すぐにできずに、先へ先へと伸ばしてしまうのでしょう。

できれば、わが子にはそういうことをしてほしくないものですよね。

子供にしばしば見られる先延ばし行動

やることを先延ばしにする「先延ばし行動」とは

「ストレスに対処するための感情の働きで、その結果、
人間関係、仕事、健康面などで様々な問題を引き起こす行動のこと。」

そして

「将来の否定的な結果を予測できるにもかかわらず、
自らの行動を自発的に遅延させること」

さらに、その行動によって

「目の前にある近視眼的な満足や、心地よい雰囲気を得る代わりに、
長期的な観点でみた人生の損失を背負うことになる。」

と、いうことなっているようです。

あまりピンとこない気もしますが、

ティモシー・ビッチェルというカナダの大学教授は、
先延ばし行動の本質を

「心地よくなることに屈すること」

と解説しています。

この行動をとりやすい人というのは

性格は必ずしも怠惰ではない。
しかし、あらゆることに完璧さを求めてしまうため、
何にも手を付けられないで、いろいろなことを先延ばしにしてしまう。

らしいです。

何でも完璧にやらないといけないと思えば思うほど
取り掛かることが心配になったり、逆におっくうになったりしますね。

そう言われてみると

うちの子も、宿題で読書日記というのがあって

・読んだ日
・題名
・作者
・感想

っていう順番で一覧表を埋めていくんだけども

題名や作者は分かるし、
感想もしっかり持っているんだけど
いつ読んだか覚えていなくて
それで一覧表を埋める手が止まってしまってる

一覧表はいつまでも真っ白のままで
それが気になって仕方がないから
頭もまっしろになる

親からはそんなのさっさとやらないからいけないんだと追い打ちをかけられて
さらに頭がまっしろけ

そんな状態になっていました。

先延ばしをする理由はなんだろう

うちの子の読書日記の場合は

表の一番最初の欄である、「読んだ日」が思い出せなくて
手が止まってしまっていたんだけれども。

そこが埋められないから、埋められるはずの次の欄も
書けないっていう状態でした。

親からすれば、思い出せない所は後回しにして、先に埋められるところを
やってしまえばいいのに、思い出せない事を親に聞いてくるから
「あんたが読んだ日なんてこっちが覚えているワケがないでしょうっ!」
ってついつい怒ってしまう。

それで、なんだかもやもやっとして
トイレに行ったり、おもちゃで遊んだりして逃げてしまっていた。

そもそも読んだ日に一覧表に日付を入れてタイトルと作者を書いておけば
後は感想を入れるだけなんだけれども、それが出来ない。

これは心理的には

一覧表のすべてを埋めなくてはいけないと思っているからで
ある意味では「完璧主義」のひとつの現れなのだと思うんです。

完璧主義って、一見理想が高くて良いことのように思えるけど
実は手を付けられないっていう弊害を産むことが多いんですよね。

100%でできると思えないからひとつも手が付けられないでいれば
その結果は「ゼロ」でしかないから、

50%の完成度の人と比べても何も結果を残せないってなりますね。

手が進まないから、それがすごくストレスになる

ストレスのある状態から抜け出すのに
テレビとかゲームや普段なら気にもかけない掃除やらをしたりして
なんだかんだで先延ばしにしていく。

こういうことは実は完璧主義な人ばかりではなくて
自分にも起こることだし、実際なんどもそんなことをしてきてる

受験勉強の時に
普段なら絶対に読まないような小説を読んだりする。

受験勉強の場合は、途方もない勉強量に先が見えなくなって
試験までに範囲が終わらないとか、この勉強方法でいいのかとか
そういう事を考えていたような気がします。

だいたい、後でものすごい自己嫌悪に陥るんだけど・・

親としてできるアドバイスは?

もし、お子さんが何かをしなくてはならないのに

例えば、宿題とか、受験勉強とか

だらだらとして、トイレに行ったり、漫画を読んでみたり
席に着いたとおもったら、「あ、そうだ!」なんていって
別の事を始めていたりしたら。

いきなり怒ったりしないで、少し黙って観察してあげてください。

鉛筆を持ったまま一歩も進めていないかもしれないのは
最初の一歩でつまづいているからかもしれませんよ。

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いろんな事が原因でこういう「先延ばし」は起こります。

・完璧主義だから
・テストで良い点が取れないから
・失敗しそうだから
・空欄が残りそうだから
・うまくできないとかっこ悪いと思うから
・笑われそう
・怒られそう
・がんばって必死になるのは格好悪いと思うから

本当にナマケモノでもない限りは、
そんないろいろな「怖れ」であったり「惧れ」や「畏れ」なんかの
「おそれ」が行動のブレーキになっていることがほとんどです。

何もしていないことでイライラを募らせてを、
即座に「怠惰」であると決めつけずに
いったん、お子さんと向き合ってみてください。

お子さんがなぜ行動に移せないのかを良く観察すると
上の例で挙げたような「原因」が見えてくるかもしれません。

・完璧主義だったら、
「完全じゃなくてもいいから少しずつ手を動かして直して行けばいいよ」
・テストで良い点が取れないのが心配なら
「100点じゃなくても0よりは良いんだよ、一生懸命頑張ったことが100点なんだよ。」
・失敗しそうなことが心配なら
「イチローだって10打席のうち7回は失敗するんだよ、失敗から学べることの方が多いんだよ」
・空欄が残りそうなことが心配なら
「空欄の数じゃなくて埋められたところががあなたの頑張った事なんだよ」
・うまくできないとかっこ悪いと思うから
「何もしない方がかっこう悪いんだよ」
・笑われそう
「何もしないで笑われないより、何かやって笑われる方がみんなの心に残るしずっと良いよ」
・怒られそう
「一生懸命やったことで怒ることは何もないよ、それよりも何もしない事の方が残念」
・がんばって必死になるのは格好悪いと思うから
「始めからうまくできる人なんてどこにもいない、頑張って泥だらけでも傷だらけでも
努力するほうがかっこいい。何の努力もしない人はかっこ悪いよ」

そんな風に声をかけてもなかなかうまく進めないことの方が多いのですが、
すこしずつお子さん自身が成果を出せるようになることで
自信をつけていくのが、先延ばし行動をやめさせる道だと思います。

先延ばしをやめるためには

そのうえで、

・期限を区切る
・完璧にやらなくても良いと教える
・分からないところは飛ばして後でやる
・取り掛かる範囲を限定する(一度にひとつだけやればいいと考える)
・ゴールは細かく設定する
・やり遂げた後にくる解放感を想像させる

そして親の対応として私が考える一番大切なことは

誉めること

・誉めるところがなかったら誉める場所を探す
・欠点を指摘する前に良かった点を認める
・答えがひとつでは無いことを意識する
・指導する基準をしっかり持つ

間違えやミスは悪いことではない、どうリカバリするかが重要
学習は学校の勉強だけではなく、生活のあらゆる部分から学ばせる
「ダメっ」が作るのは「ダメな子」と覚えておくことだと思います。

実は、先延ばし行動というものはいろんな種類があって、
その問題度もさまざまです。

私たちが知るべきなのは、

先延ばしが単なる「怠け」ではなくて
その背景にあるのは「心の動き」

なのだと知ることです。

先延ばしにしている子は既にその状態でストレスを抱えています。
その状態で親に怒られることは子供にとってはさらなるストレスになります。

もちろん単なる怠惰との区別はつけなくてはなりませんが、

ストレスの上にストレスを重ねると、子供でなくてもパニックを起こします。

パニックはヒステリーや暴行など思わぬ行動を引き起こし心の傷となります。

「学校の成績なんて悪くても気にしない」くらいの気持ちでいて大丈夫です。

現代の学校教育は答えのある問題を中心に扱い、そうでないものでも
一定の枠にはめ込んだ「答え」を設定あるいは要求しています。

そういう教育は得てして、

何よりも大切な「考える力」を伸ばす機会を逸すことになります。

学校の成績が悪くても思考力、考える力があればどうにでもなります。

学校の成績が悪いと良い学校に進めない、
いい学校に進めなければ良い会社に入れない
良い会社に入れなければ幸せになれない

という考えがそもそも思考停止状態から生まれた考えなのです。
考える力があれば、どんな環境からでも人は幸せになることが出来ます。

大学をでていなくても
アイデアひとつで大成功を収めた人はたくさんいます。

でも、自分の力で物事を考えることが出来ない人は
どんなにいい学校を出て、良い会社に就職したとしても
満足の行く生き方をすることは難しいでしょう。

お子さんの将来は、お子さん自身が作り出していくものです。
学校や国の方針はもとより、親の考えで子供の将来を縛ってはいけません。

自らの道を切り開く。

その根源である力が「考える力」だと私は思います。

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